ジャンル:ミステリー小説
発売日 :2025/2/20
一気読み:★★★★★
謎解き :★★★★
共 感 :★★★★
リアル :★★★★
ユーモア:★★★
文 学 :★★
ホラー :★
あらすじ
死んで欲しいと思っていたパワハラ上司が死んだらしい。
そんな、不謹慎だけど何だかスッキリする事件から、物語はスタートします。
主人公は20代のOLで、パワハラ上司の元で超ブラックな労働を強いられていました。そのブラック具合ときたら、読むだけで吐き気をもよおすほど。
平成チックなパワハラ描写がリアル過ぎですが、令和の現在にも脈々と引き継がれている職場もあるのでしょうね。現在進行形で苦しんでいる人にはちょっと刺激が強いかも?と、心配になるほどです。
そんな暗黒の日々へ、すべての元凶である上司の「謎の死」が舞い込みます。
自殺なのか?他殺なのか?死体もみつからない事件の容疑者は、他社員全員という社内ミステリーへと発展していきます。
果たして上司は本当に死んでしまったのか?いや、死んだほうが良かったのか?主人公は派遣社員の部下と一緒に、事件の解明に乗り出すのですが…
感想
とにかく一気に読めました。それこそ寝る間も惜しんで読んだ一冊です。
本を開くことにこれほど喜びを覚えるのか?と、今まで知らなった自分が覚醒した一冊でした。
不謹慎ですが、パワハラ上司やブラック労働のリアルな描写に、思わず吹き出してしまうユーモアさえも感じました。
いわゆる文学作品のような高尚さも深さも無いのかもしれませんけど、エンターテイメントとしての面白さは一級品です。
ミステリー的にはオチがやや弱い気もしますが、それを上回る物語りとして幕を閉じる感じも、読後感を爽やかにしてくれます。
もちろん、ハマらない人もいるでしょうね。そもそも、パワハラ受けているOLに共感できない感性の持ち主には、まったく響かないと思われます。
そういう意味では万人受けはしないかもですが、小説はちょっと…なんて思っているそこのビジネスマンに、是非読んでもらいたい作品です。
もちろん、活字中毒のあなたにも是非。
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