
ジャンル:ミステリー小説
発売日 :2015/11/26
一気読み:★★★★
謎解き :★★★★
共 感 :★★★★★
リアル :★★★★
ユーモア:★★
文 学 :★★★
ホラー :★
涙 :★★
あらすじ
舞台はどこかの海辺の町。
駅前から延びるひなびた商店街を抜けると、その先には白い灯台と青い海が広がる田舎町。
地元の人間、大企業の転勤族、海辺の景色に惹かれた移住者達。三つ巴のどうってことない日常が繰り広げられる世界。
空き店舗で主婦たちがカフェを営み、別の店舗では手作り作品の展示販売し、それらを冷めた目で見ている仏壇店の嫁。
大企業エリート夫の主婦、芸術家でパートナーと同棲中の女性、老舗仏壇店に嫁いだ地元民。決して交わることのない個性を持つ女性たちが、ある事件をきっかけに「クララの翼」なるボランティア活動をはじめます。
案の定、ボランティア活動は根も葉もないと思われる批判に晒され、3人の女性たちを翻弄し、疲弊させ、田舎町をおおいに盛り上げます。
盛り上がった先に転がっているモノも知らずに…
感想
陰口、悪口、噂話と、金、家、夢に翻弄される物語です。
嫉妬と妬みのアクセントも効いていて、とにかく面白い!もちろん、浮気、殺人、逃走というミステリ三種の神器もパーフェクトです。子供、いじめ、友情という要素も、嫌味なくかつ物語の鍵として描かれています。
湊かなえさんの作品は、とにかく女性の心理描写が楽しい。
内容的には全く楽しくない心情を描写されていることが多いですけど、一貫したロジックで描かれるネガティブな心情の中から、何故か喜びや笑いも見えてくるのが面白い。
女性ってそうなんやーと、分かった気にさせてくれます。いや、共感できます。
逆に、作中の男はどいつもこいつもバカっぽく感じてしまうのですが、女性から見れば「そう見えてしまう」のかもしれませんね。そういう意味では、男心をズキッと痛める部分もあります。女心はスカッとする、又は当たり前過ぎて気にならない、物足りない瞬間なのかもしれませんけど。
実は、読み切るまではミステリーだとは思っていなかったです。そもそも、古書屋で面白そうな作品を格安で買う趣味の一環として購入した一冊なので、内容については全くの前知識なしで挑んだ一冊です。結果として、あらすじさえも知らない状態が功を奏して、作品の独自性を引き立ててくれました。
あまりにも淡々とした田舎町のイザコザが続くので、いったいどんなオチになるのか、中盤までは予想もつきませんでした。
それが徐々にきな臭い感じになってきて、中盤以降は読んだことさえ忘れてしまいそうなくらい、一気読みした作品です。
田舎暮らしにあこがれている人は、読んでおいて損は無いと思います。
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